リーマン和の代表点の求め方.(解答、解説付き)

解析学

このサイトでは、大学数学の色んな問題を提示してます. 今回は、”解析学基礎“の問題である”リーマン積分“についての問題を解いていきましょう!!

“目次”

今日の問題
(1)積分可能性の具体的な例
(2)離散距離を用いた代表点の例
今日の解説と解答
(1)積分可能性の具体的な例(解説, 解答)
(2)離散距離を用いた代表点の例(解説, 解答)



では、さっそく問題を解いていきましょう.

(1) cを定数とし, I=[\(a_1\), \(a_2\)]上の関数\(f(x)\)を\(f\) ≡ c (つまり, ∀ \(x\) ∈ I, \(f(x)\)=c)で定めるとき, \(f\)はIで(リーマン)積分可能であることを示し, $$\int_{a_1}^{a_2}{f(x)}dx$$の値を求めよ.

(2) \(I = [a_{1}, a_{2}]\)上の関数\(f(x)\)=\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 1 (x \in \mathbb{Q}) \\ 0 (x \in \mathbb{R}) \end{array} \right. \end{eqnarray}\)で定めるとき、\(I\)の任意の分割\(\Delta\):\(a_{1} = x_{0} \lt x_{1} \it ・・・ \lt x_{n} = a_{2}\)に対して、次の(Ⅰ), (Ⅱ)のそれぞれが成り立つことを示せ.
(Ⅰ) 次のリーマン和\(S_{\Delta},\){\(\xi_{k}\)} = \(a_{2}-a_{1}\)となる代表点{\(\xi_{k}\)}を求めよ.
(Ⅱ) 次のリーマン和\(S_{\Delta},\){\(\xi^{‘}_{k}\)} = \(0\)  となる代表点{\(\xi^{‘}_{k}\)}を求めよ.

問題は以上です。

この問題は、積分可能であることの典型的な問題なので、しっかり身につけれるように練習していきましょう.

では、問題を解き終わったら、下にある解説解答を見てみましょう!!

(1)
証明  ∀ \(\Delta\) : \(a_{1}=x_0 \lt x_1 \lt ・・・ \lt x_n = a_{2}\),
∀ \(\xi_k\) ∈ [\(x_{k-1}\), \(x_k\)](\(k = 1, 2, ・・・, n\))
に対し、\(S_{\Delta_{1}}\) {\(\xi_{k}\)} = \(\displaystyle \sum_{k=1}^n f(\xi_{k})\)\((x_{k}-x_{k-1})\)
         = \(\displaystyle \sum_{i=1}^n c\)\((x_{k}-x_{k-1})\)
         =\(c \displaystyle \sum_{i=1}^n\)\((x_{k}-x_{k-1})\)
=\(c[(x_{1}-x_{0})+(x_{2}-x_{1})+(x_{3}-x_{2})+・・・+(x_{n}-x_{n-1})]\)
ここで、[]内の\(x_{i}(i=1, 2, 3, ・・・, n)\)を計算すると次のようにまとめることができる.
=\(c(x_{n}-x_{0})\)
すなわち、\(a_{1}, a_{2}\)に置き換えると、
=\(c(a_{2}-a_{1})\)
これより、\(\alpha\) = \(c(a_{2}-a_{1})\)と置くことにより、\(\displaystyle \int_{a_{1}}^{a_{2}} f(x) dx\)はリーマン積分可能である \(\unicode{x25AA}\)

また、\(\displaystyle \int_{a_{1}}^{a_{2}} f(x) dx\)の値は、\(\displaystyle \int_{a_{1}}^{a_{2}} f(x) dx\) = \(c(a_{2}-a_{1})\)である.


(2)
(Ⅰ) 証明
∀ \(\Delta\) : \(a_{1}=x_0 \lt x_1 \lt ・・・ \lt x_n = a_{2}\),
∀ \(\xi_k\) ∈ [\(x_{k-1}\), \(x_k\)](\(k = 1, 2, ・・・, n\))\[・・・(\ast)\]
(\(\ast\)) に対して、∀\(x\) ∈ \(\mathbb{Q}\) のとき、
    \(S_{\Delta_{1}}\){\(\xi_{k}\)}  = \(\displaystyle \sum_{k=1}^n f(\xi_{k})\)\((x_{k}-x_{k-1})\)
         = \(\displaystyle \sum_{k=1}^n c\)\((x_{k}-x_{k-1})\)
         = \(\displaystyle \sum_{k=1}^n\) \(\cdot 1 \cdot (x_{k}-x_{k-1})\)
         = \((x_{1}-x_{0})+(x_{2}-x_{1})+(x_{3}-x_{2})+・・・+(x_{n}-x_{n-1})\)
         = \(x_{n}-x_{0}\) = \(a_{2}-a_{1}\)
よって、∀\(x\) ∈ \(\mathbb{Q}\) のとき\(S_{\Delta_{1}}\){\(\xi_{k}\)} = \(a_{2}-a_{1}\)となる代表点{\(\xi_{k}\)}が取れる \(\unicode{x25AA}\)

(Ⅱ) 証明
(\(\ast\)) に対して、∀\(x\) ∈ \(\mathbb{R}\)\(\backslash\)\(\mathbb{Q}\) のとき、
    \(S_{\Delta_{2}}\){\(\xi^{‘}_{k}\)}  = \(\displaystyle \sum_{k=1}^n f(\xi^{‘}_{k})\)\((x_{k}-x_{k-1})\)
         = \(\displaystyle \sum_{k=1}^n\) \(\cdot 0 \cdot (x_{k}-x_{k-1})\)
         = \(0\)
よって、∀\(x\) ∈ \(\mathbb{R}\)\(\backslash\)\(\mathbb{Q}\)のとき
         \(S_{\Delta_{2}}\){\(\xi^{‘}_{k}\)} = \(0\)となる代表点{\(\xi^{‘}_{k}\)}が取れる \(\unicode{x25AA}\)


解説、解答は以上です.


また、これらの問題も自作することができるので試験前や、実力を向上させたい方は是非文字など数字を変えて問題を解いていきましょう!!


・補足

このサイトでは、高校、大学数学に関する様々な問題と、解説解答を提示しています. また、高校、大学の定期試験などでよく出題される問題など基礎的な問題に触れていますので、数学科はもちろん、興味のある方にも理解できるように解説しています。




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