しっかり分かる、べき級数の収束半径の求め方、例題解説付き(複素関数論)

複素関数論

このサイトでは、大学数学の色んな問題を提示してます. 今回は、”複素関数論“の問題である”べき級数の収束半径“についての問題を解いていきましょう!!

べき級数の収束半径って何? とりあえず具体例で解説を見たい!!

という疑問をお持ちの方はぜひこの記事を見ていってください。今の疑問をすっきり解決してくれるでしょう。

べき級数の収束半径の求め方

では、さっそく本題に入っていきましょう。

収束半径は、以下のことを示している。

定理

 \begin{eqnarray} \sum_{ n = 0 }^{ \infty } a_nz^n =a_0+a_1z+a_2z^2+\cdots \end{eqnarray}・・・(\(\ast\))

 ここで、\(a_n \neq 0\)のとき

     \(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{|a_n|}{|a_{n+1}|}\)が存在するとき、 収束半径を \(\rho\) とすると、

 \(\rho=\displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{|a_n|}{|a_{n+1}|}\)である.

  ここで、 \(|z| \lt \rho\) ならば (\(\ast\)) 絶対収束.  \(|z| \gt \rho\) ならば (\(\ast\)) 発散.

以上が収束半径定理である. これを用いて実際に問題を解いていきましょう!!

次のべき級数の収束半径を求めよ.


     \((1) \displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^n}{(2n)!}z^n\)     \((2) \displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^n}{n}z^n\)

ではこれらの問題が解けたら、下の解答を見てみよう!

  \((1) \displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^n}{(2n)!}z^n\)ならば、\(a_n=\frac{(-1)^n}{(2n)!}z^n\)
 このとき、
  \(\frac{|a_n|}{|a_{n+1}|}=\frac{|(-1)^n\times(2n+2)!|}{|(2n)!\times(-1)^{n+1}|}=\frac{|(2n+1)\times(2n+2)|}{|-1|}=(2n+1)(2n+2)\)

 よって、 \(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{|a_n|}{|a_{n+1}|}=\infty\)

  以上より、このべき級数の収束半径を\(\rho\)とすると、\(\rho=\infty\)



  \((2) \displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^n}{n}z^n\)ならば、\(a_n=\frac{(-1)^n}{n}z^n\)
 このとき、
  \(\frac{|a_n|}{|a_{n+1}|}=\frac{|(-1)^n\times(n+1)|}{|n\times(-1)^{n+1}|}=\frac{|n+1|}{|-n|}=\frac{n+1}{n}=1+\frac{1}{n}\)

 よって、 \(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } \frac{|a_n|}{|a_{n+1}|}=1\)

  以上より、このべき級数の収束半径 \(\rho\) は \(\rho=1\)

まとめ

次回はこれらを活かして、様々な難しい問題に触れていきます.

もし、もっと難しい問題や、様々な問題に触れたい方は見ていってください!!!

しっかり分かるべき級数の収束半径の求め方(応用編).

補足

このサイトでは、高校、大学数学に関する様々な問題と、解説解答を提示しています. また、高校、大学の定期試験などでよく出題される問題など基礎的な問題に触れていますので、数学科はもちろん、興味のある方にも理解できるように解説しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました